関西支部
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11月例会レポート
更新日:2014年12月19日
 
■開催日:2014年11月18日火   時間13時30分〜
■場 所:ナレッジ・キャピタル
■テーマ: NHKドラマ「カーネーション」の服飾と時代背景
 
今回は、NHK朝の連続テレビドラマ「カーネーション」の洋装衣装を、時代考証からドラマ用衣装考案そして制作までを担当されました大田垣 妙子さんに、ドラマの時代背景からファッションの流れと、朝ドラならではのご苦労話や制作秘話などについて、パワーポイントでたくさんの写真やファッション年表なども見せていただきながらお話をお伺いしました。

最初の依頼では時代考証をお願いしますとの内容だったそうで、快諾したら、打ち合わせの中でどんどん話が膨らみ、洋装衣装部分の考案とその制作も 全てお願いします!となったとの事でした。
そこからが怒涛の朝ドラ衣装制作生活の始まりで、今回大田垣さんとご一緒に11月例会にお出で下さった村田さんと阪本さんはじめ 大田垣さんの生徒さん方 数名で、衣装1スタイルにつき リハーサル用2着と本番用1着の計3着、ドラマ全体分で1衣装×3の合計数十着を仕上げ、また、スタジオの隣室にミシンを持ち込んで 俳優さんへの対応やシーンのトラブルに合わせて迅速に手直しするという まさに奮闘の日々となったそうです。

全員との初顔合わせの席で出演者の方々と同じ台本を渡され、台詞のところに 俳優さんは所作や気持ちなど自分のポイントを書き入れられるのですが、大田垣さんはそこに 場面ごとの衣装デザインや案を書き入れていく、そうして 監督さんとやり取りし、意見の違いなど切磋琢磨しながら衣装デザインを決め、素材を決め、そして生地が到着したら 2〜3日以内で仕上げて俳優さんに衣装合わせする。そのようなスケジュールだったそうです。

衣装について、実際の当時の記録がないものも多く、素材やディテールは考察のうえで大田垣さんがデザインされたもので、全く自分自身だけの名前でデザインを世に出す時よりもはるかに気を使われたそうです。時代考証や、リアルな事実との兼ね合いや、監督さんの強い拘りもあって、画面に映らない部分や わずか数秒のシーンでの衣装にも工夫がされているという事でした。

また、出演の俳優さん達に 裁縫のシーンやミシンで縫うシーンなどを指導する役目もされていて、俳優さん達の頑張りは流石だというエピソードも話されました。
最初のシーンで糸子(綾子)の子供時代を演じる子役さんが 運針をするのですが、右手でしなければいけないところ、その子役さんは左利きだったそうです。
今回 大田垣さんとご一緒に来られた阪本さん達が付きっきりで指導されて、それを、東京在住の子役さんが大阪のNHKに通う新幹線の中でずっと 右手で針を持って縫う稽古をしてきて、本番では遜色なく演じ、その頑張りに感服したと話されていました。

朝から夜中まで撮影という日々の中、スタジオ隣室の暗いところで 時間に追われ 一人一心不乱にミシンを踏んでいたら、頭上に 突然ポッと灯りが点いて、それは 照明さんが 暗い中でミシンを踏む大田垣さんの為に 黙ってそっと照らしてくれたものだったと、心が温かくなったエピソードも灌漑深く語られました。

番組制作の話だけでなく、ファッションの流れを1910年代(明治時代)から1980年代(昭和)までの代表的な服を(現代の女性服の変遷)としてデザイン画の表にして説明され、また、
日本人と洋服の出会い、そしてミシンの伝来についても、織田信長の時代から 現在までの流れを解説して下さいました。
最後は 京田辺市での カーネーション衣装の展示会の内容も見せていただき、あっという間の2時間でした。
                                         (報告:淺田 祥香)